長野県大町市 松田乳業
松田 邦正さん75
大正11年(1922年)創業の松田乳業の3代目。 「松田牛乳の出すものに、まずいものはない」という想いのもと、こだわりの牛乳を提供し続けています。ちなみに会社のロゴになっている少年(まつだくん)は現在の社長である邦正さんだそうです。「おれこんなにぽっちゃりしてなかったと思うけどなぁ」と松田さん。
地域に親しまれ100年以上
松田乳業さんは長野県大町市で大正11年(1922年)より親しまれている老舗企業です。大町市や近隣の学校給食でも提供されており、地元の人にとってはまさに故郷の味です。そんな松田乳業さんは今年で創業100年。現在の社長である松田邦正さんのおじいさんが佐久市で教員を辞めて戻ってくる際に2頭の牛を連れてきたのが始まりだそうです。
また現在ではその味は県外でも注目されており、山陰地方を中心に展開するスーパーの「エブリイ」さんでもバイヤーさんの目に留まり松田乳業の牛乳が販売されています。
こだわりの「低温殺菌」
松田乳業さんの牛乳は「低温殺菌」にこだわり、牛乳本来の甘さや風味がそのまま残っています。松田乳業さんの牛乳を飲んで育った地元の人はそれ以外の牛乳は飲めないほどだそうです。
低温殺菌
現在、市販されている9割以上の牛乳は高温殺菌されたものですが、松田乳業さんはあえて低温殺菌にこだわります。「だって高温だと3秒、低温だと30分もかかるもん」と松田さん。殺菌に時間がかかるため、大量生産ができず、効率性が悪いことから多くの企業が高温で牛乳を殺菌しています。しかし約65℃の低温でゆっくり殺菌された牛乳は、牛乳本来の甘みや風味がそのまま残るそうです。手間暇をかけても「お客さんに喜んでもらいたい」というのが松田さんの想いです。
取り扱っている牛乳(髙橋牧場)
松田乳業さんで取り扱っている牛乳はすべて大町市や安曇野市からくる地元でとれたもの。長野県乳業組合の会長も務める松田さんは「長野県の牛乳の品質はすばらしい」とその品質の良さを自負しています。取材日には提携牧場の1つである髙橋牧場を案内いただきました。髙橋牧場さんは大町市にあり、松田乳業さんとは戦後まもなくから約70年以上お付き合いがあるそうです。
取材日当日はちょうど多くの牛が放牧に出ているとのことでしたが、清潔な牛舎で過ごす乳牛から採れる牛乳は松田さんのお墨付きです。
松田乳業「これからの想い」
コロナ禍で学校給食や宿泊施設の需要が減り、「非常に苦しい期間だった」と松田さん。しかし徐々に需要も回復し、「松田乳業からだすものに、まずいものはない」という心情のもとこだわりの牛乳の提供を続けています。
実は取材時に松田乳業さんのコーヒー牛乳をいただいたのですが、これが絶品!伺ってみると、コーヒーも自社工場でドリップし牛乳と半々で割るこだわり。「美味しいに決まってるよ。手間をかけすぎてて、割に合わないんだけど、、」と苦笑いの松田さんですが、その表情はどこか嬉しそうでした。
(松田乳業特製のコーヒー牛乳は今後MDI各店舗にて販売予定です!)