命がけの養蜂 〜浦山長治さんのあくなき挑戦〜

命がけの養蜂 〜浦山長治さんのあくなき挑戦〜

 濃厚なはちみつと海塩がベストマッチの「ソルティうらやまはちみつ」。フレーバーのベースとなるハチミツを作っていただいている浦山長治さんをご紹介します。

養蜂家

浦山長治さん76

木島平村生まれ、同村育ち。長年大工をしていたが怪我を機に、きのこ栽培業を始める。 独自の販売ルートの開拓などで、周囲からの妨害など苦難を重ねながらも、現在では県内スーパーのほか全国のスーパーにもきのこを卸している。10年ほど前、定年を機に養蜂をスタート。毎年違う自然環境や蜂の生育と格闘・試行錯誤を続け、現在では県外からもその蜂蜜を求めて浦山さんに購入依頼があるほど!

 

長野県木島平村

 浦山さんが養蜂をしている、木島平村は長野県の北端に位置し、自然豊かな森林と豪雪に由来する豊かな水と肥沃な大地に恵まれた地域です。また、長野市から北東に約40kmに位置し、北陸新幹線飯山駅からバスで15分、高速道路豊田飯山インターから車で15分とアクセスもよく、周辺には日本有数のスノーリゾートや温泉地に囲まれています。豊かな森林資源のおかげで、美味しい天然の湧水や、綺麗な川の流れがあり、人の手が入らない深い山(奥山)と農地や集落の縁にある里山は、動植物の多様性に富んだ自然豊かな環境を保っています。

 

養蜂を始めたきっかけ

 定年を間近に控えたある日、きのこ工場の隅にミツバチが巣を作っているのを発見。「この蜂たちを上手く育てれば蜂蜜が採れるはず!」と独学で養蜂を試みるも、失敗。「どうしたらおいしい蜂蜜が採れるのだろう?」と研究を始め、気づくと養蜂の難しさに没頭。「養蜂は蜂の生育とその年の自然環境により、採れる蜂蜜の質・量に大きな影響を与えるため常に試行錯誤の連続だけど、それが醍醐味なんだよ」と浦山さん。



浦山さんのハチミツ

 浦山さんのハチの巣箱は木島平村の周辺に13箇所にも点在し、中には標高1500m近くの場所にあるものもあるそうです。「全てかまうのが大変」と苦笑する浦山さん。取材当日はそのうちの1箇所にご案内いただき、MDIのアイスにも使用されている百花の蜂蜜の採蜜の作業を少しだけお手伝いさせていただきました。

 ずらりと並ぶ巣箱には西洋ミツバチが1箱に3万匹ほど入っており、取材日(7月下旬)は、主にクローバーやケンポナシなどの花の蜜の時期とのことです。また暑さ対策もかねて、早い時だと朝の4時には作業を開始するそうですが、防護服の下は汗でびっしょりになります。

 「箱を開けるまでどれくらい蜜が入っているのか分からないから、開ける時はいつも「たくさん蜜が入っていてくれ!」とドキドキしながら開けるんだよ」と浦山さん。蓋を開けると蜜がぎっしり!



香りの良さの秘密

 浦山さんのはちみつはその香りの良さが評判で、県外からもわざわざ購入に来る人がいるほど。MDIの店舗でも蜂蜜を販売していますが、人気のあまり入荷待ちもしばしば。そのおいしさの秘密を浦山さんに尋ねたところ、ずばり、「分からない!(笑)」秘密にしているのではなく、本当に分からないそう。。。

 

また浦山さんは続けます。「その年によって自然環境が異なってしまって、去年うまくいったことが今年はうまくいかなかったり、花の咲き具合も違うので、これ!という正解がない。」

ただ、浦山さんは蜂のことを自分の子どものように話します。
蜂がより良い環境で過ごせるように、巣箱にいれる木枠などは全て手作り。また採れた蜂蜜は全て絞り切らずに、「ありがとう。またおいしい蜂蜜をよろしく」という想いを込めて、少し残して、また巣箱に戻します。

 

浦山さんこれからの想い

 この日、巣箱から採った蜂蜜を採蜜器のある小屋に持っていくと、浦山さんの娘さんが採密のお手伝い。聞けば、最近養蜂に興味を持ち、一緒に蜂のお世話をしていたそうですが、数日前にかなり危険な思いをして、採蜜の担当に徹しているとのこと。



 巣の表面を包丁で切り、遠心分離機にかけられるようにする作業ですが、これがとても難しいのです。見ているとスラスラと簡単そうにこなしていましていましたが、ケルトンも挑戦させてもらったところ、薄く切るのがとにかく難しい、、、薄く切らないとせっかくの蜂蜜がもったいないことになってしまいます。

  数年前には膝の手術をしたり、なかなか思うように体が動かないという浦山さんですが、「箱を開ける時のドキドキが楽しくて、まだまだ辞められない」とこれからの意気込みを語ってくれました。

 そんな浦山さん、実は蜂アレルギー、、、

数年前には山で蜂に刺され、生死を彷徨ったとのことで、「次に刺されたら、本当に分からない」と笑顔で話します。

 
 そんな浦山さん、さらに趣味?で桃とシャインマスカットの栽培もしています!

特に桃は専業でもおかしくないほど立派な畑が、、、!
「蜂をかまうだけでも時間が足りないのに、果物もやっているので、もっと時間が足りない」とのこと。(笑)

 浦山さんのあくなき挑戦はまだまだ続きます。

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